「世界市場を動かす5の歴史的視点」を読んでみた。

歴史は繰り返すーではありませんが、経済は大きなサイクルの中で発展と後退を繰り返しているなんてことはよく言われているわけで、ならば、過去の歴史から学んで行ってみようと読み始めたのがこの本。
まず、この本の趣旨として、バブルや景気にはサイクルがある(本書が言うには10年に一度)。つまり、過去の歴史を振り返り、いつどんな原因で景気の変動局面が訪れたかを学べば、好景気に入った時点でいち早く投資を始められ、不景気に入り始めた際に資産を引き上げることで、損をせずに利益を得られるというもの。

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ただ、残念なことに「つまり、この銘柄が買いなんだよ‼」といった紹介は入っていません。
(まぁ個人的に、本で紹介された銘柄を買うかといわれると、買わないんですけどね。)
この関連銘柄は調べておこうかなー?程度の参考にはなりましたし、何よりこれまでの経済の流れ歴史を簡潔にまとめてあるので、楽しく読めた本でもありました。
(知識が増えるというのは、快感を伴うものなのです。)
本書の構成としては、日本の景気サイクルに大きく影響を及ぼす因子を5つのテーマ(中東、ユーロ圏、アメリカ、新興国、アベノミクス)に絞って議論しています。最後の6章に、どのような投資をするがいいか、筆者の考えがまとめられていました。
個人的に一番おもしろかったのは、第1章の中東について。本書で書かれている5つのテーマの中で最も多くのページを割かれており、それだけ根の深い要素が複雑に絡み合ったのが現在の中東の状況ということなのでしょう。それぞれの章で、歴史的、宗教的、経済的な背景から、中東の安定化にはまだまだ時間が掛かるだろう、ユーロ圏は今後経済的にも安定していくだろうなどの小括があります。読んだ感想として、筆者は日本及び世界経済については明るいとの考えみたいですね。
最後に、これは人の好みが分かれることだと思うので書くのですが、筆者はアベノミクス肯定派であり、投資手法としてはウォーレンバフェットを信奉した立場をとっています。私がこの本を楽しく読めたのは、上記のような筆者の考え方が私の好みと一致していたかもしれないといった部分はご理解いただければと思います。

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